「英語、全然わからん…」
高校3年の時点で英検3級がやっと取れるレベル。二次試験は中学生の子たちと並んで英語面接を待ちました。当時のSNSを見返すと、Be動詞すらちゃんと理解できていない投稿が残っていて、今でも顔から火が出そうです(笑)。
帰国子女でも留学経験もない、いわゆる「純ジャパ」の私が、独学でTOEIC360点から870点まで約1年で伸ばし、新卒で翻訳の仕事に就くことができました。
この記事では、私が実際に行ったTOEIC独学勉強法をスコア別のロードマップ形式でまとめます。特別な才能も、高額なスクールも必要ありません。核心にあるのはただ一つ、「多読を中心に、英語を趣味化すること」です。
この記事でわかること
- TOEIC360点(純ジャパ)から870点まで伸ばしたスコア別の具体的な学習ステップ
- TOEICリーディングスコアを大幅に上げる多読(Extensive Reading)の正しいやり方
- リーディングはKindle多読、リスニングはAudible、ライティングはLang-8(代替案あり)と紐づけた「趣味で継続できる」英語学習ノウハウ
- この記事でわかること
- TOEICスコア別 効果的な学習方法まとめ
私がたどり着いた「英語を趣味にする」という答え
英語力が劇的に変わったのは、勉強法を変えたからではなく、英語に触れる時間を圧倒的に増やしたからです。
どうやって増やしたか。好きなことと英語を紐づけることで、「作業」だった英語学習を「娯楽」に変えたんです。好きなアニメを英語吹き替えで見る。好きなゲームを英語でプレイする。好きな本を英語で読む。気づけば1日数時間、自然と英語に触れる生活になっていました。
大学でTOEIC高得点者の名前が張り出されていたのですが、帰国子女を除いて高得点を取っている人は、ほぼ全員「すべての娯楽を英語で享受する」という習慣を持っていました。
結論から言うと、私が行ったのは「学習時間を圧倒的に増やすために、英語を趣味化する」、ただそれだけです。その軸となる手法が多読でした。TOEICの対策も並行して行っていたので、スコアに直結した勉強法も合わせてお伝えします。
多読で、文法は「自然に」身についてくる
英語の勉強法を調べると「文法書を何周しろ」「問題集を解きまくれ」という情報が山ほど出てきます。それが無意味とは思わないのですが、私が一番実感を得たのはそこじゃなくて、本をたくさん読んでいるうちに、文法がいつの間にか身についていた、という経験からでした。
英語は、頭から順に意味を取っていく言語です。TOEICのリーディングで時間が足りなくなる一番の原因は、日本語のように後ろから訳し返しているからで、これは問題集をいくら解いても直りません。「英語を英語のまま頭から受け取る」感覚は、多読によって少しずつ育ちます。
TOEICで問われる関係代名詞や分詞構文も、本を読んでいれば何度も自然に出てきます。読み進める中で「この文の構造、なんだろう?」と詰まったとき、そのセンテンスをそのままAIにコピペして「この文法構造を説明して」と聞けばいい。電子書籍ならコピーも一瞬です。参考書で先に全部勉強しようとするより、読んでいて詰まった瞬間に調べる方が、記憶にはるかに残ります。
最初に選ぶ本は、とにかく簡単なものから。「星の王子さま」の英語版や、ペンギンリーダーズの初級あたりが入りやすいです。短い文章をすらすらと頭から読んでいける感覚が、英語脳の土台を作ってくれます。
語彙の学習はANKIというアプリが効率的です。忘却曲線に合わせて正答率が低い単語を自動でテスト形式で出してくれます。私は月700単語を目安に続けていました。
ステージ1(〜500点):まず「英語の音」に慣れる
スコア500点未満の時期は、文法や語彙をガチガチに固めるよりも、英語という言語への抵抗感をなくすことの方が先だと思っています。多読と並行して、映像や音声を通じて英語の音やリズムに慣れていくのが、この時期の大きなテーマです。
趣味学習:映画・アニメ・YouTubeで「英語の音」に慣れる
この時期のリスニング対策は、難しい表現を理解しようとする必要はありません。英語に抵抗なく触れる時間を増やすことが最優先です。
私がおすすめするのは、ストーリーを知っている作品の英語版を見ることです。ジブリ映画やディズニー作品など、話の流れを把握しているものなら、わからない単語があっても大筋が追えるのでストレスが少ない。特に「千と千尋の神隠し」の英語版は、ディズニーから声優が起用されていて聴き取りやすく、Netflixなどで手軽に視聴できるのでおすすめです。
映画を見るときは、わからない単語があっても全部調べなくていいです。大事なのは大筋を把握すること。いきなり洋画はハードルが高ければ、子供向け作品や自分が好きなものを英語で触れてみるところから始めましょう。
YouTubeで好きなジャンルの動画を英語字幕付きで流し見してみましょう。私はゲーム実況や料理系、どっきり系など、興味のあるものを片っ端から英語で視聴しました。長い映画より10分のYouTube動画を繰り返す方が、英語の音に慣れるうえでは効率的だと思います。楽しさが英語に触れる時間を自然に増やしてくれます。
ステージ2(500〜700点):「多読 × Audible」でTOEICの壁を突破する
TOEIC500点台に到達したら、基礎固めから脱却し、英語を処理する速度とTOEIC特有の語彙の強化に焦点を移します。このステージでのメインアクティビティは多読(Extensive Reading)と、それと連動したリスニング学習です。語彙を5000語→7000語に増やすこと、高校レベルの英文の音読・シャドーイングも重要になります。
多読がTOEICスコアを劇的に変える理由
多読は、Part 7(長文読解)のスコアアップに必須の、「読むスピード」と「英文を頭から理解する回路」を作るのに最強の方法です。
ある言語学者によると、Readingのみで語学はすべて身につくとのことです。Readingを長期的に続けると、遅かった英語を処理する速度が劇的に向上します。そうすると、SpeakingもListeningも相関的に伸びます。つまり多読は、TOEICのスコアを上げるだけでなく、英語力全体を底上げする最もコスパの高い手法だと私は思っています。
日本語に訳しながら英語を読んでいると、Part 7の54問を時間内に処理することは、ほぼ不可能です。多読によって「英語を英語のまま受け取るルート」が脳内に形成されると、この壁が一気に崩れます。私はこの時期から、英語力の伸びを実感し始めました。
多読のやり方:「辞書を引きながら気持ちよく読む」が鉄則
多読のルールはシンプルです。辞書を引きながら、気持ちのいい速度で読み進めること。詰まっても気にせずどんどん読み進めましょう。途中で物語がわからなくなってしまうと楽しくなくなるので、日本語で読んだことがある本の英語版を選ぶのがポイントです。
Kindleとの相性が最強:私は一時期洋書を紙で買っていましたが、割高で学生には出費がかさみます。Kindleなら安く手に入り、その場で辞書も引けるため、ストレスが少なく多読との相性が抜群です。Kindle Paperwhiteは引いた単語が保存されるので、後から単語帳として復習できるのも便利です。
多読のステップアップ:レベル別教材の選び方
英語の本に慣れないうちは、ペンギンリーダーズ(Pearson English Readers)やラダーシリーズなどのレベル別教材がおすすめです。使われている語彙数や内容のレベルが段階ごとに変わるため、自分のレベルに合った本を見つけやすいです。
私自身のステップアップの流れはこうでした。
- ペンギンリーダーズ(レベル2〜3)でやさしい英語の文体に慣れる
- 日本の作家の英語版(村上春樹「海辺のカフカ」など)へステップアップ。日本語で読んだことがある内容なので詰まっても読み進めやすい
- ハリーポッター原書へ。主人公と一緒に自分も成長していく体験ができる。自分の英語力の成長とともに作品の難易度も上がっていくハリーポッターは、英語初心者だけが持てる特権だと思っています
ファンタジーが好きであれば、迷わずハリーポッターの原書から始めることをおすすめします。
TOEICスコア別のおすすめ洋書については別記事でまとめているので、ぜひ参考にしてください。どれも本当に読んでほしい本だけを選びました。
Audibleで「読んでから聴く」復習法:多読との組み合わせが最強
多読とセットで行うことで、リスニング力が爆発的に伸びる方法があります。それがAudible(オーディオブック)を使った復習です。
日本ではオーディオブックを聴く習慣はまだ少ないですが、海外では通勤・通学中に聴くのが一般的です。
私のやり方はシンプルで、「多読で1章読む → Audibleで同じ章を繰り返し聴く」だけ。本を読んでいるうちに語彙や文脈が頭に入っているので、音声を聴いたときに自然と内容がスッと入ってきます。シャドーイングやディクテーションも有効ですが、「趣味として続ける」という観点では、Audibleはその中でも特におすすめです。一冊やるだけでも確実に成長を感じました。
- Audible(オーディブル)- 本を聴くAmazonのサービス(1冊分無料で試せます)
- YouTube朗読の活用:Audible以外でも、YouTubeで朗読動画を何度も聴くのもおすすめです。『星の王子さま』などの児童文学は朗読のクオリティも高く、取り組みやすいです。
ステージ3(700〜900点):「ライティング」と「英語でゲーム」でアウトプットを武器にする
TOEIC700点台に入ると、インプットした知識を「使える知識」に変えるアウトプットの訓練が不可欠になります。このステージのメインは、ライティングとスピーキングの瞬発力強化です。演習問題の徹底、シャドーイング、そしてすべての娯楽を英語で享受することが得点アップの鍵になります。
Lang-8でネイティブ添削を無料で受ける(→現在は代替ツールあり)
私がおすすめするのは、Lang-8というコミュニティサイトです。英語で書いた文章をネイティブに添削してもらえる代わりに、自分が日本語を添削してあげるという相互学習のシステムです。有人の添削は多額の費用がかかりますが、Lang-8では無料で英語ライティングの練習ができました。
このサービスが面白くて、外国人の友達もできますし、私はLang-8で実際に外国人の友達ができ、今でも交流が続いています。このサイトで300本ほどのエッセイを書いたあたりから、文法ミスがほぼなくなりました。
単語1つ1つの使い方にも用法があり、「「学校で習う正しい文法」から「ネイティブが使う自然な表現」まで学ぶことができます。レスポンスがあることでモチベーションも上がり、長く続けることができました。
※2025年追記:今調べたら、Lang-8はサービス終了してしまったようです(泣)。現在の代替としてはHelloTalkなどの言語交換アプリやAI添削サービスが有効です。ただ私は、リアルな人間とのやりとりがモチベーションにつながると思っているので、HelloTalkのような人と繋がれるサービスの方がおすすめです。
ライティングで文章を書く練習をすると、「英語で考える」癖がつきます。頭の中で日本語を介さず英語の構成で物事を考え始めるようになり、これがTOEICのPart 7の速読力やスピーキングの瞬発力向上に間接的につながります。
英語でゲームをする:「知識を使わざるを得ない」環境が瞬発力を鍛える
これは友人に教えたところ、3か月でTOEIC400点から600点超えまで伸びたという実例があります。
外国産のゲームであれば、PCのSteamから英語版を手軽に購入できます。特にFF10のリメイクはフルボイスで英語音声付きで、楽しみながら英語に没頭できました。
脳が好奇心で活性化している状態だと、記憶の定着がしやすくなります。化学の元素記号は覚えられなくてもポケモンの名前は覚えられるのと同じ原理です。「知識を使わざるを得ない環境」に身を置くことが、英語の瞬発力を爆発的に高めます。
シャドーイングでリスニング・スピーキングを同時強化
TOEICのPart 3・4のスクリプトなどを使い、シャドーイング(音源のすぐ後を影のように追って発音する)を徹底しましょう。これはリスニングで聞こえなかった音や、英語特有の音のつながりを自分の口で再現する訓練で、リスニングとスピーキングの同時強化に最強の方法です。慣れてきたら1.2倍速・1.5倍速での特訓も取り入れてみましょう。ディクテーション(聞こえた音声を書き起こす)とセットで行うと、聞き取れない原因を特定しやすくなります。
英語は趣味にすると「継続」が最強の武器になる
TOEICのスコアアップは手段であり、目的は「英語を通じて人生を豊かにすること」です。この学習哲学こそが、何年も英語学習を継続できた最大の秘訣です。
英語産のものにこだわらない:日本のコンテンツを英語で楽しむ
学習のハードルを下げるために、あえて日本のコンテンツを英語で楽しむというアプローチが非常に効果的でした。「英語の学習=作業」から「英語で楽しむ=生活」へと意識が変わった瞬間に、学習時間が劇的に増えました。
好きなアニメの英語吹き替えを楽しむ:私は好きなアニメをもう一度見たいと思えるものは、英語吹き替えで見るようにしています。特におすすめなのは「千と千尋の神隠し」の英語版で、ディズニーから声優が起用されており、初心者でも聞き取りやすいです。
アニソン・J-POPの英語カバーを聴く:アニソンが好きであれば、英語カバーしているYouTubeチャンネルがおすすめです。好きな音楽なら飽きずに何度も聴けるので、最高のリスニング教材になります。自分の「好き」を英語学習に結びつけることが、継続の最大のコツです。
英語を習慣化するための小さな一歩
TOEICの点数が伸びない時期や、疲れて勉強できない時期は必ずあります。それでも英語はとにかく継続していくしかないです。まずスマホの言語を英語にしてみること、好きな実況者を英語話者から見つけること。好きなものから関連付けていくことで、無理なく継続できます。
まとめ:スコア別ロードマップ
英語が苦手な「純ジャパ」だった私がTOEICでスコアを劇的に伸ばし、翻訳の仕事ができるようになった秘訣は、すべて「多読を中心に、趣味を入り口にして学習時間を圧倒的に増やしたこと」に尽きます。
現在のスコアに合わせて、下記のおすすめ学習法を組み合わせてみてください。
TOEICスコア別 効果的な学習方法まとめ
- TOEIC 〜500点(基礎固め期) リーディング:Part 5・6問題集を1冊3周(中学・高校英文法を反射レベルに) リスニング:好きな映画・アニメを英語字幕で多聴(英語の音に慣れる) 語彙:ANKIアプリ+金のフレーズ基礎レベルを徹底
- TOEIC 500〜700点(処理速度強化期) リーディング:Kindle多読で英文を頭から理解する回路を作る リスニング:Audibleで「読んでから聴く」復習法、公式問題集でシャドーイング 対策:公式問題集を模試として解き、時間配分を意識する
- TOEIC 700〜900点(アウトプット強化期) ライティング:HelloTalk・AI添削サービスでアウトプット練習 スピーキング:シャドーイング(1.2倍速も試す)+英語でゲーム 習慣化:すべての娯楽を英語で享受する生活へ
学習の仕方は様々ですが、好みに合うものが見つかれば嬉しいです。英語は長く触れることが重要なので、まず楽しめるものから試してみてください。