フィリピンって、新品の洋書はかなり高い。でも実は中古本文化がかなり根付いていて、うまく立ち回れば日本では考えられない値段で洋書が手に入ります。
英語多読をやっている人間として、これは本当においしい環境だと思っています。日本でペーパーバック1冊を買うと¥1,500〜¥2,000はかかりますが、マニラなら同じ本が¥270〜¥800で買える。しかも複数冊まとめて。この記事では、マニラで洋書を安く買えるスポットを、実際に足を運んで確かめた体験談つきで全部まとめます。
① National Book Store セール:鉄板中の鉄板

National Book Store(NBS)
フィリピン最大の書店チェーン。マニラ市内の大型モールにほぼ必ず入っている
セール価格帯:₱99〜₱299(¥270〜¥810)、漫画は25%オフ
セール情報:公式Facebook (@nbsalert)でリアルタイム告知
普段は定価販売が中心。セール時のみ激安になる
まずここから入らないとフィリピン本活動は始まりません。
National Book Storeは普段から値引きコーナーがある店舗もありますが、本当においしいのは定期的に開催される期間限定セールの方。だいたい1週間前後の短いスパンで、モール内の特設スペースで開催されます。
フィリピン人の積読民たちは、これをFacebookでリアルタイムにキャッチアップしています。日本のLINEとは比べ物にならないくらい、フィリピンでのFacebook活用度は高い。公式ページをフォローしておくだけで情報が入ってきます。

セール中はこんな感じで人が集まります。フィリピン人の本好きが現地にいると実感する瞬間。Facebookだとこんな感じで告知が来ます。

店舗レポート:SM Megamall「Sulit Reads Fair」
価格帯:₱99(¥270)/ ₱199(¥540)/ ₱299(¥810)、漫画25%オフ
開催:期間限定(2026年3月17〜26日開催を確認)・無料入場
今回私が訪問したのは、オルティガスのSM Megamall内で開催されていた「Sulit Reads Fair」です。

この宝探し感が醍醐味です。ジャンルは比較的広め。小説・SF・ティーン向け・絵本・漫画まで揃っています。

漫画は25%オフ。英語版の漫画もちゃんとあります。

ただ、新品の豪華版(シャーロックホームズなど)は₱700前後(¥1,890)とわりと高め。割引されていてもこの価格です。ここは中古コーナー一択です。

ティーン向けのYA小説も豊富。ディズニー関連の絵本や、映画化された人気タイトルも見かけました。

絵本も充実。英語多読を始めたい子どもへのおみやげにもいいと思います。

今回の戦利品。₱99(¥270)から₱299(¥810)の範囲でこれだけ買えます。日本で同じラインアップを揃えようとしたら何倍かかるか。
店舗レポート:Robinsons Place Manila Ermita店
特徴:セール期間外でも常設の値引きコーナーあり。学生街のため本の回転が早い
大型モールのNBS店舗は、セール期間外でも常設の値引きコーナーがあります。中でも狙い目はErmita(エルミタ)エリアのRobinsons Place Manila内の店舗です。フィリピン大学の近くで、学生街ということもあって本の回転が早い。

Ermitaのセールで私が見つけた個人的な掘り出し物は、ハリーポッターのクィディッチルールブック(₱99≈¥270)。こういう番外編・スピンオフが眠っているのがフィリピンの古本屋の面白いところです。

雑然としているように見えて、ちゃんと₱99・₱199・₱299のゾーンに分かれているので、予算に合わせて探しやすいです。

② Booksale:中古本ハンターの聖地

Booksale
欧米から輸入した中古本を扱う専門チェーン。マニラ広域のモールに展開
場所:Market Market(BGC, Taguig)/ Robinsons Place Manila(Ermita)/ SM各モール他
価格帯:₱50〜(¥135〜)。ウェアハウスセール時は₱5〜₱35(¥13〜¥95)になることも
新着入荷:月中頃が多い
Facebook:facebook.com/booksalephils
フィリピン人に「安く本が買えるところは?」と聞いたら、まず名前が出るのがここです。知らないフィリピン人の方が少ないくらいの存在。
アメリカ・カナダ・オーストラリア・イギリスなどから輸入した中古本を扱う専門チェーンで、モール内を歩いているとどこかしらに見つかるくらい、マニラ中に展開しています。ジャンルは小説・自己啓発・料理・ビジネス・漫画・雑誌と本当に幅広い。
店舗レポート:Market Market(BGC, Taguig)店

今回行ったのはBGCのMarket Market店。BGCにいてBooksaleに寄らずに帰るのはもったいないです。

外からでも本がはみ出しています。ここの引力は強い。

中に入るとこんな感じです。棚の高さと密度がすごい。全部チェックしようとすると1時間あっても足りません。
本の状態はピンキリです。背表紙が傷んでいたり、以前の持ち主の書き込みが入っていたりすることもある。でも「それも含めての古本」だと思えば全然アリで、むしろ書き込みのある本に当たったときの面白さもあります。まれにウェアハウスセールが開催されると₱5〜₱35(¥13〜¥95)という破格になることもあるので、Facebookのフォローは必須です。

漫画コーナーもありました。かなりマイナーなタイトルが多くて私にはよくわからなかったですが、フィリピン人にはわかる作品なんでしょう。これもまたローカル感があって面白い。
ちなみにBooksaleはShopeeでもオンライン購入できます。在庫を事前確認したい方はそちらも。ただ実際に手にとって状態を確認できるのが古本屋の醍醐味なので、できれば店舗に行くことをおすすめします。
③ Biblio:おしゃれな輸入中古書店

Biblio:Purveyors of Pre-owned Books
輸入中古本を専門に扱うセレクト書店チェーン。2016年UP Town Center店から始まり、現在マニラ市内に複数店舗展開
主な店舗:Ayala Malls UP Town Center / Ayala Malls The 30th(Pasig)/ Cloverleaf(Balintawak)/ SM Mall Grand Central / Feliz(Marikina)他
価格帯:₱100〜₱600程度(¥270〜¥1,620)
新着入荷:Cloverleaf・UP Town Center店は火曜、Feliz・30th店は水曜
公式サイト:biblio.ph
正式名称は「Biblio: Purveyors of Pre-owned Books」。ギリシャ語の「biblion(本)」が名前の由来で、輸入中古本を専門に扱うセレクト書店チェーンです。Books for Less系列で、2016年にUP Town Center店から始まりました。
National Book StoreやBooksaleと違うのはキュレーションの質です。ただ本が並んでいるのではなく、ちゃんと選ばれた感のある品揃えで、インテリア本・デザイン本・海外文芸書など、日本ではなかなか手に入らないタイトルに出会えることがあります。一部店舗にはテーブルと椅子があって、買う前にじっくり読めるのもいい。
Booksaleが「ジャングルを探索する」感じだとすれば、Biblioは「こだわりのセレクトショップ」。状態のいい輸入書を確実に手に入れたい場合はBiblioの方が効率がいいです。目当ての著者やジャンルがある場合はスタッフに伝えると、入荷時に連絡をもらえることもあります。毎年、福袋セールもあるので要チェックです。
店舗レポート:Ayala Malls UP Town Center店

外観から好きです。BooksaleやNational Book Storeのガレージセール感とは別世界にいるみたいです(笑)。店内はこんな感じ。本と一緒にインテリア雑貨やステーショナリーも置いてあって、「いい雰囲気の本屋」をちゃんと作っているのが伝わってきます。どちらが好きかは完全に好みで、私は両方好きです。
店舗レポート:SM Mall Grand Central店

SM Mall Grand Central店にも行きました。品揃えはUP Town Center店と大きく変わらず、状態のいい輸入書が揃っています。価格帯は₱100前後のものから₱600程度まで幅があって、思ったより安い本も多い。(この時、スマホの充電切れてしまい画像ブレブレです)

この店舗で面白かったのが、「Blind Date with a Book」というキャンペーン。内容が分からないように包装した本を、ヒントだけ書いた状態で販売するという企画です。表紙も著者名もわからないまま「買ってみる」という、本好きにはたまらないギャンブル要素。当たりを引いたときの喜びは普通に本を選ぶ何倍にもなります。価格も抑えめで、「ハズレても後悔しないくらいの値段(298ペソ)」に設定されていました。Biblioに行ったら探してみてください。
④ Books from Underground:地下に潜む聖域

Books from Underground
場所:Lagusnilad Underpass, Padre Burgos Ave, Manila(Manila City HallとIntramurosをつなぐ地下通路内)
価格帯:₱60〜₱150程度(¥160〜¥405)
営業時間:不規則。17時以降の営業が多い様子(事前確認推奨)
Facebook:Books-From-Underground
ここを知っているかどうかで、マニラの本好きレベルが測れると思っています。
名前の通り、マニラ市庁舎(Manila City Hall)そばのLagusnilad Underpass(Padre Burgos Ave)内にある書店です。場所から想像できない、びっしりと本が積み上げられた空間で、稀覯本・絶版本・廃れたペーパーバックから珍しいコーヒーテーブルブックまで、テーマなしで詰まっています。

入り口はこんな感じです。知らなければまず気づかない場所。

オーナーはAJ Laberinto氏。2010年から地下道で本を売り始め、2019年の地下道リノベーション工事のあおりで一時撤退を余儀なくされましたが、市民の反発と市長の理解により現在はLagusnilad Underpass唯一の公認店舗として正規の営業許可を持って営業しています。欲しい本を言えばたぶん読んだことがあるし、在庫がなければ似たテイストの本を勧めてくれる。ただ本を売るだけではなく、そういう人間力がある書店です。
ただし、営業時間はかなり不規則です。昼間に行っても閉まっていることがあります。17時以降の営業が多い様子で、Facebookへの事前連絡を試みましたが返信は来ませんでした。開いていたらラッキーくらいの心持ちで行くのがいいです。
このエリア(Lagusnilad〜Manila City Hall周辺)はManila City HallとIntramurosをつなぐ通路でもあり、国立博物館にも近い。後述するSolidaridadへの動線でもあります。
⑤ Solidaridad:おまけ枠、でも外せない

Solidaridad Bookshop
場所:531 Padre Faura St., Ermita, Manila
営業時間:月〜土 9:00〜18:00(日曜定休)
価格帯:₱100〜₱750以上(¥270〜¥2,025以上)
支払い:現金のみ(カード不可)
最後はちょっと毛色が違うおまけです。でも語らずにはいられない。
Solidaridad Bookshopは、フィリピンの国民的文学者(国家芸術家 / National Artist for Literature)であるF.ソニル・ホセ(F. Sionil José)によって1965年6月に創業した、マニラで最も歴史ある書店のひとつです。フィリピニアーナ(フィリピン文学・文化に関する書籍)のコレクションは国内随一と言われ、「Asia's biggest little bookshop(アジア一のちっぽけな本屋)」と称されてきた場所です。
店名「Solidaridad」は、19世紀フィリピン改革運動の機関紙「La Solidaridad」に由来します。ホセ・リサール、マルセロ・H・デル・ピラールらが欧州から発行した革命の文書と同じ名前を、この書店に付けたわけです。
2025年、ホセ家の長男が「高齢で後継者がいない」として売却を発表。同年11月、Loren Legarda上院議員の息子でバタンガス州選出の国会議員・Leandro Legarda Leviste氏が₱3,500万以下(¥9,450万以下)で購入しました。「Solidaridadの運営を継続し、F.ソニル・ホセの遺産を守るための投資」と本人が語っており、書店は現在も継続営業中です。

外からも中からも、この書店が持っている歴史の重さみたいなものが伝わってきます。
フランツ・カフカが置いてありました。好きな作家の本を海外の書店で見かけるときのあの、ちょっとした高揚感。わかる人にはわかると思います。

クラシック文学は古い版が並んでいて、それだけで絵になる棚です。

タガログ語の絵本が₱100(¥270)で売っていました。よく見たら変な日本語が入っていておもしろかった。

有名どころの本がありましたが₱750(¥2,025)前後。全体的に割高なので「安く買いたい」目的だけで来る場所ではありません。でも絶版になったフィリピン文学を探している人や、タガログ語書籍が欲しい人には替えが効かない場所です。雰囲気だけでも来る価値はあります。

タガログ語書籍がかなり多め。National Geographicのバックナンバーもありました。コレクターには刺さるかもしれません。
⑥ Ermita周辺のBooksale:ハシゴルートの締め

Booksale(Ermita / 国立博物館近く)
場所:Googleマップ
Books from Underground → Solidaridad → ここ、というハシゴルートで午後まるごと使うのがおすすめ
Solidaridad周辺(国立博物館近く)にもBooksaleがあります。Solidaridadで雰囲気と歴史を味わった後、しっかり安く本を買いたい場合の締めとして最適な位置にあります。
Books from Underground、Solidaridad、このBooksaleを午後まるごと使ってハシゴするルートが一番効率的です。3か所とも徒歩・短距離移動圏内なので、マニラ初日に試してみる価値があります。ただSolidaridadは現金のみなので、行く前に手持ちを確認しておくこと。
結局どこに行けばいい?まとめ
| 店舗 | 価格帯 | 円換算の目安 | おすすめな人 |
|---|---|---|---|
| National Book Store セール期間ねらい |
₱99〜₱299 | ¥270〜¥810 | コスパ重視・幅広いジャンルを探したい人 |
| Booksale モール各地に展開 |
₱50〜 | ¥135〜 | とにかく安く・宝探し感が好きな人 |
| Biblio UP Town Center・30th・Grand Central他 |
₱100〜₱600 | ¥270〜¥1,620 | 状態のいい輸入書を確実に手に入れたい人・Blind Date Bookを試したい人 |
| Books from Underground Lagusnilad Underpass内 |
₱60〜₱150 | ¥160〜¥405 | 変わり種を探している人・本好きレベルを上げたい人 |
| Solidaridad 531 Padre Faura, Ermita(現金のみ) |
₱100〜₱750以上 | ¥270〜¥2,025以上 | フィリピニアーナ・タガログ語書籍・歴史ある空間を体験したい人 |
| Booksale(Ermita周辺) 国立博物館近く |
₱50〜 | ¥135〜 | Ermitaハシゴルートの締め。Books from Underground・Solidaridadとセットで |
はじめてマニラで本を買うなら、National Book StoreのFacebookをフォローしてセール情報を待つのが最も効率的です。Biblioは常設なのでBGCやモールに行ったついでに寄るのが自然な動線。SM Mall Grand Centralに行く機会があれば、Blind Date Bookを探してみてください。
Books from Undergroundは「開いてたらラッキー」という気持ちで、Ermitaをぶらついた帰りに覗く感じがちょうどいいです。Solidaridadもその流れで立ち寄れます。ただSolidaridadは現金のみなので、行く前に手持ちを確認しておくこと。
フィリピンの本好きは、Facebookをフル活用して情報収集しています。日本のようにGoogleで検索して終わり、ではなく、FacebookでFBページをフォローして告知を待つ、というスタイルです。最初はそのギャップに慣れるまでが少し大変かもしれませんが、慣れると日本で洋書を買うよりずっと快適になります。
現地にいる間にまだ行けていない書店もあるので、追加レポートができたらまた書きます!